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プロフィール

鴎佐和志孝

Author:鴎佐和志孝
1981年生まれ
職業:シナリオライター(見込み)
信条:一度でも同じ舞台に立った者は皆家族

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どこまでも。
シナリオライター・鴎佐和志孝さんのProduction notes
観劇
中野・ザ・ポケット 『思えば遠くへ…』


金馬さん、尚記さん出演の
劇団ブルースタクシーさんの公演。

2010年の釜石の民宿を舞台にしたお話。
2010年ということが中盤になって分かる、
「釜石」という単語が出てくるのは最後の最後の1回だけ、
なんでもない田舎町のなんでもない人たちのなんでもない日常のお話。

という作品なので、「分かる人にしか分からない」と作・演出の青田さんも仰っていました。
というか「分からない人には全く分からない」と。
なんなら“3月11日”という単語を出してもピンと来ない人がいると。

青田さんも仰っていましたが
「思えば遠くへ来た」というのは、
距離的なことよりも、時間的な意味合いの方が強いのかもしれません。
あれからたった1年3ヶ月しか経っていないのにこの反応の薄さ。
もちろん感じ取ってくれる人は大勢いるのでしょうが、
単に「いいお話でしたね」で終わってしまう人も少なからずいたそうです。

やっと子供ができて「来年の春に生まれるんですよ」と言う奥さん、
これからの釜石の街を盛り上げようと奔走する市役所の観光課の上司と部下、
「まだ来年もここであづまっぺし」と言って民宿を去る面々。
そんな2010年、夏、釜石。

だからわたしはこの舞台を観て、「あぁ、これはドキュメンタリーだ」と思ったのです。
3月に子供が生まれる人も、街の将来を考える人も、来年また会おうと言った人も、
絶対2010年の釜石の、大船渡の、高田の、どっかに必ずいたよと。

夏が過ぎ去ろうとしている頃、一同が民宿を去り、
主人公が「釜石の海は、今日も穏やがだぁ」とつぶやくところで幕が下りるので
この登場人物たちがその後どうなったのかは分かりませんが
きっとまた、更地になった民宿跡地にみんなで集まって
ワイワイやっているだろうと思うのです。
誰も流されていない。そう思いたいのです。

東京の人にとっては、本当になんでもない、全く引っかからない所だと思いますが
釜石の風景をカメラに撮り、その写真を見るというシーンが
すごく印象に残りました。
2010年の釜石の街並。
撮った本人でさえも、なんでもないふるさとの街並と思って撮ったのでしょう。
本当になんでもないシーンでした。
なんでもない日常をわたしたちは送っていたのでした。

「ふるさとはここにある。消えてなくなったりはしない」
主人公のこの一言にすべて集約される気がします。

津波を扱った作品はいくつか観てきましたが、
もう一度観たい、被災地の人たちと真摯に向き合っている、
この役者さんたち、この劇団にやってもらって良かった、
心からそう思える唯一の作品でした。

釜石出身の道又菜津子さんのネイティブな岩手訛りが光ります。
DVD販売が待ち遠しい。

青田さん、みなさん、ありがとうございました。

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